保険仲立人(一般に保険ブローカーと呼ばれる者の保険業法上の名称)とは、顧客から指名を受け、保険会社から独立した存在として中立的な立場から、リスク分析等により見出した顧客ニーズに合致する保険の設計や提案を行い、その結果、顧客から委託を受けてその顧客のために誠実に保険契約の媒介を行う者のことです。
欧米では古くから、保険ブローカー(Insurance broker)が保険流通機能の一角を担っており、特に企業分野の保険や再保険の取引では中心的な役割を果たしています。
保険仲立人は、顧客から指名を受け、豊富な経験や高度な知識を活かして、顧客のリスクを的確に分析・評価し、顧客のために最適なリスクマネジメント手法を提案します。
保険仲立人は、リスクの分析・評価により、保険によるリスク移転が妥当であると判断したリスクに関して、保険マーケットにおける豊富な知識・情報をもとに、顧客のニーズに最も合致する保険カバーを設計し、できるだけ有利な条件で手配できるよう保険会社の選定と交渉を行います。
保険仲立人は、保険業法第299条(保険仲立人の誠実義務)に基づき、顧客から委託を受けてその顧客のために誠実に保険契約の締結の媒介を行います。
保険によるリスクヘッジが不適切なリスクについては、保険以外のリスクマネジメント手法をアドバイスができることも保険仲立人(保険ブローカー)の重要な機能のひとつです。保険会社の営業政策に左右されず、顧客のリスクを総合的に評価・分析し、公正なアドバイスする機能と役割を担っていることが保険仲立人の特徴的な存在意義です。
顧客にとって、保険仲立人を活用することは、以下のようなメリットがあります。
保険仲立人(保険ブローカー)は、国内・海外の保険マーケットに関する豊富な知識・情報を有しています。特定の保険会社にしばられることなく、さまざまな保険会社のカバーから公正な視点で比較・検討できます。
保険仲立人(保険ブローカー)は、顧客のリスクに備えるうえで必要な場合、保険会社が一般に提供していない保険カバーを設計し、保険会社と交渉して、顧客に最適な保険条件を引き出すこともできます。
保険仲立人(保険ブローカー)は、リスクを多角的に分析・評価し、最適なリスクマネジメント手法を提案します。保険によるリスクヘッジが不適切と判断した場合には、保険以外の方法を提案することも可能なので、リスクに総合的に備えることができます。
保険代理店は保険会社から委託を受けて、その保険会社のために保険募集を行うのに対し、保険仲立人(保険ブローカー)は顧客(保険契約者)から委託を受けて、その顧客のために保険会社と保険契約の交渉および締結の媒介を行います。
保険募集に従事するすべての役員と使用人が、取り扱う保険種類に応じて当協会の実施する『損害保険仲立人試験』または『生命保険仲立人試験』に合格することが必要です。
保険仲立人は、保険会社から独立した存在として位置づけらており、独自に賠償資力を確保するための保証金の供託、保険仲立人損害賠償責任保険の付保等が義務づけられています。
裁判外紛争解決手続(ADR)の専門機関である一般社団法人保険オンブズマンと「手続実施基本契約」を結ぶ必要があります。
指定紛争機関について